9月のながの門前まちあるき
『まちなか野菜実験観察会』と題して、非営利活動団体エディブルガーデンラボの坂口 則夫さんが案内人となった今回のまち歩き。
最近表参道の西側の通りでじわじわと広がっているエディブルガーデンの取り組み。トマトやナス、善光寺サトイモなどの植物のポットが店先に並んでいる風景が増えてきています。今日はそんな風景を見ながら取り組みついて知ってもらい、どのように取り組みを広げていくか、想像しながらのまちあるきです。
まちあるきの前に坂口さんからエディブルガーデンについてのお話。
元々は園芸家として花の品種改良などに取り組んでいた坂口さん。野菜などの作物は専門外だったそうですが、きっかけがあり、イギリスのトットモーデンという街でIncredible Edible Todmorden(インクレディブル エディブル トッドモーデン)という取り組みをしている方と繋がり、その街を訪れたそう。
トッドモーデンでは「町中が食べられる庭」を掲げて、町中の空いているスペースに町中に野菜や果物、ハーブを栽培。誰でも無料で自由にとっていい仕組みになっており、緑豊かでコミュニケーションの盛んな街になっています。
この活動を知った坂口さんは、空き地や空きスペースの活用や食を通じたコミュニティ・子供が農作物に興味を持つ食育としての可能性など、日本の地方都市の持つ課題解決に役立ち、より良いまちづくりの手法になるかもしれないと思い、長野市でエディブルガーデンの取り組みを始めました。
現在は西後町→西町→西之門町と善光寺表参道の一本西を南北に通っている道沿いのお店を中心に、店の軒先にポット型の野菜を置いてもらうところから始めています。今年度は実験・準備の年として、まちなかの環境で作物が育つのか、協力してくれるお店や人と繋がること、拠点探しなどを進めている段階です。
今日のまちあるきではこの道を北に進みながら、ポットの現状や店主さんのお話を聞きました。
まず集合場所のR-DEPOTもたくさんのポットを置かせていただいています。だいたい三日置きくらいで水やりをしておりトマトやとうがらしなどが赤い実をつけ始めたところでした。
今年の夏は気温が高かったこともあり、黄色く弱っているような葉っぱもありましたが、環境によっては難しいこともあるそうです。
R-DEPOTでなった実はR-DEPOT通用口にご自由に食べていただけるように置いてあります。
次に向かったのは島田周三商店さん。
昔の防火水路の名残がある側溝の隣にミニトマトのポットがありました。
R-DEPOTのミニトマトよりも背丈が高く、よく育っている印象です。
次に向かったのは、和菓子屋の豆暦さん
こちらも軒先に大きな葉をつけた善光寺さといもがありました。こちらもR-DEPOTより大きな葉っぱをつけていて、ポットが一つとは思えない存在感でした。
さといもの葉っぱは蓮の葉とも少し似ていて、寺の門前町の景観としても相性がいいのではという話も出ました。
次に向かったのは、鍋善金物店さん。今はクリーニング屋をしていますが、その店先の簾に伸びる緑のカーテンと並んで、ポットが置いてありました。
こちらは毎朝他の植物と共に水をあげているみたいで、トマトが大きく育っており、実もたくさんなっていました。
今年の夏の気温を思えば、夕方の柔らかい西日しか当たらない軒下が逆にちょうど良かったのかもしれないと話していました。
次に向かったのはナノグラフィカさん。こちらも建物を覆うツタとポットの植物が繋がるくらい成長していました。
こちらにはでっかいナスがなっていました。同じ通りでもどの植物が育っているか全然違うのが興味深かったです。
できた実からはたくさんの種が取れるため、しっかり種をとり、冷蔵庫で保管しておき、来年土に植えると同じ実がなるので、種をとり来年に繋げていくことが大事だそう。余った種を近隣の方や知り合いにお裾分けすることでコミュニケーションも生まれ、思い描く風景に近づいていきそうです。
最後に訪れたのが、吉井屋呉服店さん。
こちらもR-DEPOTと同じく軒先がほぼない建物で、成長も思うようにいかなかったそう。枝が折れてしまったところを店主さんご自身で繋ぎ合わせて見たところ、先の方まできちんと水が行き届いているみたいで、諦めずにお世話をしてくださっていました。そんな中、ここ数週間でトマトの実がなり始め、ようやく成果が実ってきたところ。
今はまだお客さんで興味を持ってくださる方は少ないそうです。今後表参道の西側の通りがエディブルロードになり、緑や作物がたくさん並んでくればきっと、水やりをする店主さんとその作物を食べているまちの人が立ち話をしているような風景が見られるのではないかと期待しています。
また、エディブルガーデンラボの拠点も近くに作りたいとの話もあり、そこではポットの受け渡しや作物についての相談などができればという話でした。拠点ができると一気に活動も認知され広がっていきそうです。
案内人の坂口さん、お話を聞かせてくださった店主の皆さん、ありがとうございました!
10月のお知らせ
10月22日(水)14:00〜17:00
案内人は一般社団法人nicollap代表理事の荒井 雄彦(あらい たけひこ)さん。
タイトルは、『宿からミライを考える』
案内人コメント:善光寺門前で令和時代にリノベーションされてできた宿と、江戸時代に宿だった場所を巡り、宿場町出会った善光寺門前のこれからを考えるまちあるきをしたいと思います。
コース
宿屋 GONDO Aioi
↓
藤屋御本陣
↓
善光寺宿坊
↓
LAW FARM
<開催概要>
日時:10月22日(水)14:00〜17:00
参加費:1000円 (U22無料)
定員:10名
申し込み:電話 026-219-2280 メール info@r-depot.com